ブックタイトル田村亮のパパ日記 子の背中を見て親は育つ

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概要

田村亮のパパ日記 子の背中を見て親は育つ

1 3 2 嫁は黙って頷いた。嫁は猫のウンコに触ったことを思い出して機嫌が悪くなっていたのだ。嫁の顔を見ると、眉間にはシワが無くなっていた。表情も怒っているでもなく笑っているでもなく、かといって何かを考えているようにも見えない。強いて言うなら「無」である。 私が犯人に、「何故、そんなことをしたんだ?」 と問うと、さっき頷いて犯行を認めたことで楽になったのか、犯人は事細かに説明しだした。子どもと一緒になって砂遊びをしていた時に、砂を掘っていたら何やら黒いものが現れた。それが何か解らないままつまむ。これが犯人の言う犯行の全てらしい。「黒いものがそれだとは思わなかったのか?」 と聞くと、「全く気付かなかった。それって気付いていたらあんなことはしねーよ。本当だ。信じてくれよ!」 と言ってきた。長年、刑事をやって来た勘が、犯人は本当のことを言っていると教えてくれた。おそらく、犯人の過失は裁判所でも認められて刑務所には入らないだろう。肩を落とす犯人の背中をみながら、取り調べ室を出た。